2017年7月28日

展示会関係者が「ワガママを言って、駄々をこねているのではない」。それは過去3回の五輪(2008北京、2012ロンドン、2016リオ)のメディアセンターが、どう造られたかで明らか。

写真左からリオ、ロンドン、北京のIBC/MPC

廣谷徹氏

 

国際放送センター(IBC)とメインプレスセンター(MPC)の設置は、2008北京、2012ロンドン、2016リオ五輪でどうだったのか?

専門家の国際メディアサービスシステム研修所 代表 廣谷徹氏の解説記事(「月刊ニューメディア」2016年1月号より)を引用させていただきます。

2008北京五輪ではオリンピック・パークの中に、メイン・スタジアムとなる“鳥の巣”や22万㎡の巨大なコンベンション・センターを建設。このセンターの中にIBC/MPCが設置されました。五輪開催後は展示ホール、国際会議場、国際ホテルを備えた最新鋭の統合エキジビション施設「国家会議中心」に生まれ変わり、北京の新たな拠点になっています。

2012ロンドン五輪でも同様に、ロンドン東部に建設されたオリンピック・パーク内にIBCは6万㎡、MPCは2.9万㎡の広さで新築されました。このIBCとMPCは大会後に改装されロンドン最先端のデジタル・メディア拠点として生まれ変わっています。

反対運動まで巻き起こった2016リオ・デ・ジャネイロ五輪でさえオリンピック・パーク内に同様に新築されました。これも五輪開催後は民間企業が管理・運営を請け負い、展示ホール、イベント会場などの商業施設として利用されています。

フル稼働している既存の展示会場をオリンピックのために占領することなど、海外ではありえない話です。今や新しい技術や製品は各業界の展示会に中小メーカがこぞって出展し、商談する場所です。展示会の種類も開催回数も拡大しています。それを後押しするのが自治体や国なのに、縮小して閉鎖さえしてしまうのは「愚行」と言うしかありません。

例えばIT系の展示会は、今では「情報セキュリティ」「Web」「モバイル」「データセンター」「クラウド」「ビッグデータ」「AI」「IoT」と細分化され、より専門特化した展示会となり拡大しています。単なる「コンピューター」という大雑把な括りで済まされた時代ではありません。音楽業界も収益モデルがCDなどのパッケージ販売から体験型に移行し、音楽ライブ・エンタテイメントの市場規模はこの5年で約2倍に成長(ぴあ総研調べ)しています。

首都圏4000万人という世界一の経済圏でありながら、5万㎡以上の展示会場はビッグサイトと、幕張メッセしかありません。五輪招致委員会が作成した計画のまま進めば、五輪前後の5ヵ月間はこの2会場が使用できなくなります。この5ヵ月間に開催されるはずのイベントや展示会が前後に時期をずらさざるをえないので、影響が2020年全般に渡ることは避けられません。時期が違うから大丈夫なのではなく、主要なものだけでも数百のイベントが会場を探してさまよいますから、大会場から中会場。中会場から小会場へと押し出されるので、最後に泣くのは小さくて弱い団体です。縮小開催もしくは開催中止もありえる深刻な事態です。

展示会関係者は東京五輪開催決定の2013年よりも前から、国際的に見ても大規模展示場が不足していることを訴えてきました。最近3回の五輪開催の事例の通り、五輪を契機としてビッグサイトクラスのIBC/MPCを新築して、終了後、展示会・イベントスペースとして活用するというのが正解です。「負の遺産」という心配どころか、産業活性化につながると考えるのが国際的な常識です。

また「箱物は悪」という誤解も解いておきます。もちろん建設業者と結託して建設された、立派過ぎる箱物は悪です。しかし、展示会場(イベントスペース)は箱物の中では最も安く作れる建設物です。最低限の設備で広いスペースさえあれば要件を満たします。新国立競技場や豊洲市場のような数千億円ではなく、数百億円単位で作れます。国際的にはモジュール化された最新の建設方法が確立され、コストの概念は大幅に変わっています。

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